三菱重工機械システム(神戸市)は、新聞用オフセット輪転機(以下:新聞輪転機)の新台の製造を終了することを発表した。アフターサービスは続ける。
https://www.mhi.com/jp/group/mhims/news/topics/20240628.html
1966年から50年以上にわたり、新聞輪転機を累計で670台以上、国内外の顧客に納入してきた。しかし、新聞輪転機の製造やアフターサービスに従事する社員の高齢化や、使用部品の調達難などから、継続が難しくなった。新聞輪転機の新台の製造を止め、一定期間アフターサービスを提供した上で、同事業から撤退するとの結論に至った。
現在注文がある新聞輪転機の新台の製造については、契約分の納入をもって終了し、以降の新台の注文や見積もりは受け付けない。アフターサービスについては、既存のリソースを活用して当面は続けるが、最長でも2036年3月までとする。その後のアフターサービスのあり方については、今後検討を進める予定だ。
三菱重工機械システムは、これまで同社製新聞輪転機を愛用してきた顧客に感謝を表明し、最後の期限まで優れた品質の新聞輪転機と高品質のサービスを提供することを保証した。
2036年3月 紙媒体としての新聞のタイムリミットか
2024年6月28日に発表されたニュースはメディア業界内でも驚きの発表でした。三菱重工機械システムは東京機械製作所と並ぶ新聞輪転機の大手で、国内シェアは50%と報道されています。
日本新聞協会が発表している新聞の発行部数と世帯数の推移によると、新聞の合計発行部数は28,590,486部。2013年比で40%減少しています。震災や豪雨といった自然災害による発行部数の減少もありますが、業界内でも部数減少の底がまだ見えていない状況です。
三菱重工機械システムは「現有リソースを活用して当面継続しますが、最長でも2036年3月迄に終了します」と発表しました。紙媒体としての新聞のタイムリミットとも受け取れます。
全国紙のみならずブロック紙、地方紙もデジタル版の事業をさらに強化し、新聞に依存してきた収益構造からの脱却が進められています。各社の取り組みについてはまた別の機会に配信します。